13: 新しい命
パソコンをつけると一面のチューリップ。
スライドショーにしたらこの前のチューリップ山の結婚式&旅行の写真が見られた。
エレファントさんの一番好きな写真はぱっつんさんの奥さんが持ったチューリップの花束かはたまたみんなでチューリップを摘んでるときの落ち穂拾いみたいな写真か。
結婚式の集合写真もいい。
バーベキューも美味しかったし。
アイスクリームもクリームソーダの写真もいい。
とにかく予想外で楽しい旅行だった。
そうだ、まんずが春なのに少しふっくらしたように思える。
あー、アイスだあの濃厚な...
まんずは口の回りが白いからあまりわからなかったがバイキングのアイスをたくさんなめていた。
そういえば、いちごやチョコや抹茶のアイスがあることも教えてくれたのはまんずだったなあ。
バニラはもちろん、いちごはいちごのつぶつぶが入っていて、チョコはかなりカカオ感が強く、抹茶はほろ苦くどれも美味しかったが、全部味見したらしいまんずはバニラ以外は嫌いと言ってた。
そうだそうだ、最後はまんずだけアイスもなかを作ってもらい白鳥号でも食べてたような。
今日は昼休みにちいちゃんからメールがあり夜に行きたいと言われた。
早上がりの日だったのでいいよと言った。
ちいちゃんはぱっつんさんの奥さんとお式のドレスのお礼に来たのだった。
ぱっつんさんの奥さんからなにもないからとドレス用の生地をくれた。
水色で見ようによって7色に光る生地だった。
「いいのですか、こんな素敵なの」
「いいのよ、なにかに作ってくださいね」
とりあえずなんかのお式もパーティーも予定がないので生地はなおしておくことにした。
実はこの生地はちいちゃんの結婚式の時に奥さんが私たちも式をしたいと言ったので式のあとぱっつんさんが注文したもののひとつらしかった。
ぱっつんさんは式用とお色直し用に2つ注文したのだった。
しかし、奥さんは花束とベールだけどいいと言ったのだけど、とにかくお式用のドレスだけは作ってもらうことにしたのだった。
ちいちゃんのドレスを見てエレファントさんに頼みたいと奥さんは言った。
作ってもらえることになり奥さんは凄く喜び楽しみにしたらしかった。
綺麗な布を出しているとだいぶちゅがやってきて生地を見たりすんすんしたりしていた。
帰りがけにちいちゃんは今度会うときは子猫連れかもと言っていた。
「ちいちゃん、子猫と寝るクッション作ってあげるね」
「あれー、いいの?嬉しい」
エレファントさんはいつ生まれてもいいように暇な今日に縫うことにした。
そして、ベッドで起きていただいぶちゅとまんずを呼んだ。
「悪いけど二人でそこの生地の上に寝てみてね」
「二人でいいの?他にだれか呼ぶ?」
「ちいちゃん親子のクッション作るので二人で寝られたら大丈夫だろうから、頼むね」
二人は布の上には乗ったがうーんという向きだったので向きを変えて寝てもらった。
「ありがとう」
クッション、上布団、枕と生地を切り縫った。
カバーも一応二組縫った。
「とりあえずよしと」
コーヒー飲んでたらいきなりメールが来た。
「ちい、生まれそうなんだ」と、茶猫さんからだった。
「クッション一組作ったからついでに取りに来てほしいの」
「ありがとう、ちいも喜ぶよ」
いきなり羽音がして茶猫さんが立っていた。
「落ち着かないんだ」
「これを持っていってあげて」
「ありがとう、素敵だ」
茶猫さんは帰って行った。
しばらくして、電話がかかってきた。
「ぱっつんさんみたいな女の子だったよ、可愛いよ。また見に来て欲しい」
「行く行く、落ち着いたら教えてね」
あとから写真が来た。
「ちっこい、可愛い」
ぱっつんさんは飛んでいった。
すぐにエレファントさんのクッションで寝ている親子の写真が送られてきた。
「自分の子がこんなに可愛いなんて思ってみなかったわ、ちゃねちゃんも離れないの。おとうさんもおかあさんも来てくれたわ。明日以降なら来てくださいね。メールくれたら白鳥号行ってもらうからね」
と、ちいちゃんからもメールが来た。
夜遅くぱっつんさんが帰ってきて可愛い可愛いと言っていた。
ぱっつんさんは一番可愛いだろう写真をくれた。
「ふわふわで可愛い」
「ちいちゃんに似てふわふわ」
「まんずのほうがかわいい」
「ぱっつんさんそっくり」
みんな色々言った。
「みけぼうが面倒を見るの?」
「ふくの妹みたいだ」
ちいちゃんは大天使で合唱隊のリーダーでいわゆる茶猫さんと共稼ぎなのでちょっちゃんの保育園に預けることになった。
今回はみけぼうがお世話することになった。
「みけぼう、どこでちいちゃんの赤ちゃんをみるの?」
「おかあさん、お家でみてもいい?正式には茶猫さんとちょっちゃんから依頼が来ると思うの」
「おいらたちもいるし」
「そうね、いいわ」
ばあちゃんもぱっつんさんの孫だから喜んでいた。
「おいらもお世話したいな」
ふくが言った。
とにかく、明日白鳥号を頼んで見に行くことになった。
茶猫さんに明日休みで行きたいので白鳥号を頼みたいとというと10時ごろに来て、赤ちゃんを見たあと大食堂でお昼を食べて帰ったらいいと言ってくれた。
大勢で行っていいかと言うと、いいよと言ってくれた。
次の日は、いいお天気だった。
天国の案内はあんずちゃんとぶっちゃんがしてくれることになった。
二人もいっしょに白鳥号で行くことになった。
ちいちゃんは自分の家で赤ちゃんいっしょにいた。
赤ちゃん猫は起きていてもそもそ動いていた。
「ちっちゃ」
「ふわふわ」
「甘い香り、ミルクの匂いだ」
みんな口々に言った。
「ふふふ、可愛いでしょ」
「みーみー」
可愛い声で鳴いていた。
「わしにそっくりじゃ」
ぱっつんさんが言ったが、
「もっと可愛い」
だいぶちゅが言ってみんなで笑った。
しばらく赤ちゃんを見ていたがミルクの時間になったので邪魔にならないようにみんなはご飯を食べに行くことにした。
大食堂は明るく清潔で早かったのでほとんど誰もいなくて一行はトレーをもらい好きなものを取って食べたのだった。
「あっ、いちごかある。食べよう」
女の子組はいちごをたくさん取った。
エレファントさんはこの間食べた小さなグラタンとサンドイッチが美味しかったのでそれを取っていた。
色んなフルーツやヨーグルトもあった。
ばあちゃんはあちこちに行ってミネストローネみたいなスープが好きになった。
ばあちゃんはそのスープとおにぎりにしようと思ったが普段はあまり食べない照り焼きチキンとレタスのサンドイッチが美味しそうだったのでそれを選んだ。
北緯さん、まさおさんは仕事で来れなかったので二人には写真をメールしたのだった。
大食堂にはみんなの後を追うかのように神様がこられた。
「わしも一緒させて欲しい」
「どうぞどうぞ神様」
みんなは席をつめた、神様はエレファントさんの隣の席についた。
「おかあさんやあの子猫は紫色の心を持っておるよ」
「見たのですか?」
「見えたんじゃ、あれは生まれが猫天使じゃから人の愛を知らんことになる」
「神様」
「おかあさんの家でみけぼうにじゃが育ててもらいたい、愛してやっておくれ」
「神様、わかりました」
「正式には茶猫とちいで頼みに行くだろうて」
「わかりました、首を長くして待ってますわ」
「よろしく頼む」
みんながご飯を食べ終えた頃、混んできたので神様がご自分のお部屋でお茶を飲もうと言ってくださったのでみんなで移動した。
飲み物を頼んだらすぐに持ってきてくれた。
思い思いに座りながら神様とお話をした。
中にはお腹がいっぱいになり寝ている子がいた。
エレファントさんはこの前チューリップ山で作ったコップができていたので持って帰ることにした。
ガラス玉を入れたところがすけて色がついていて凄く綺麗なコップになっていた。
神様やお見舞いに来たしげおばあさんらに送られ白鳥号でみんなは帰ってきた。
帰りの白鳥号で1号さんがエレファントさんに言った。
「まんずたちの来た頃を思い出しちゃったわ」
「1号は大変だったもんね」
「おかあさんの方が大変だったのに」
「今では懐かしいね」
「ほんと大きくなったねあの子達」
「ほんとだ」
その時、横から大きい猫の手が出てきた。
「おいらの手、1号姉さんより大きいや」
「そうだね、大きいね」
三人は声を上げて笑った。
エレファントさんは小さかった頃の四兄弟を思い出していた。
新しい命
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なおこ(天乃 櫻)さん
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